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たまには空を見上げてみよう★ Vol. 1 奇跡の星「地球」~地球はなぜ「奇跡の星」と呼ばれるのか~

目次

  1. 私たちの住んでいる太陽系第三惑星「地球」
  2. 奇跡の星「地球」の成り立ちを紐解く
  3. 奇跡1:海(水)の存在1
  4. 奇跡2:地球の公転軌道の位置と形2
  5. 奇跡3:地球の大きさ
  6. 奇跡4:太陽の寿命
  7. 奇跡5:地磁気が地球を守る
  8. 奇跡6:月の存在
  9. 奇跡7:銀河系における太陽系の位置
  10. 奇跡8:巨大な外惑星の存在
  11. 大切にしたい地球環境
  12. 終わりに
  13. サン・フレア(SunFlare)の社名の由来

こんにちは。前回「富士登山挑戦!」を書いたKazzです。
プロフィールにも書きましたが、今回からは「星空案内人」の資格を活かして星に関する記事を書いていきたいと思います。
第一弾として、いろんな星の話をする前に、私たちの住んでいるこの地球についてお話しします。
普段、日々の生活に追われているとなかなか考えることはないと思いますが、宇宙的に見ても地球はとても貴重で重要な星なのです。
これを機に、地球がいかに大切な存在なのかを再認識してもらい、これからの生活の中で一緒に考え行動していくことで、少しでも地球環境が守られるといいなと思っています。

日々進歩するあらゆる科学技術の発展に寄与することを使命とし、サン・フレアは創業時から最先端科学技術分野の翻訳・ドキュメンテーション事業を行ってきました。もちろん宇宙開発分野にもたくさん携わってきました。
私たちの作成した(翻訳した)文書が世界のどこかで、あるいは、もしかしたら宇宙のどこかで役に立っていると思うとワクワクします。

緑の地球をデフォルメしたイラスト

私たちの住んでいる太陽系第三惑星「地球」

私たちが住んでいる「地球」は、みなさんご存じのように、太陽系に8個ある惑星の内、太陽に近い方から3番目の岩石惑星(水星、金星、火星も岩石惑星)です。
私たちは、当たり前のように毎日を過ごして(生きて)いますが、広い宇宙の中でこれだけ多種多様な生物が存在する惑星は、今のところ見つかっていません。地球はそれだけ貴重でレアな存在と言えるでしょう。
今の地球があるのは、数々の特殊な条件をクリアしているからなのです。
それでは、どのような特殊な条件をクリアしてきたのかを説明したいと思います。

奇跡の星「地球」の成り立ちを紐解く

奇跡1:海(水)の存在

地球に海が誕生したのは、約44億年前と考えられています。(地球が誕生したのは約46億年前)
誕生したばかりの地球の表面はマグマに覆われていて、温度は1,000度以上でした。
このとき、数キロメートルの小天体が数多く地球に衝突し、これらの天体に含まれていた水が蒸発して水蒸気を作り出していました。

マグマに天体が衝突しているイラスト
マグマオーシャン

小天体の衝突が落ち着くと、地球のマグマが冷え始め、空気中の水蒸気が雨となって降り注ぎ海ができました。
海ができたことで、二酸化炭素は海中に溶け、温室効果が小さくなり、気温も生物の誕生に適したものになっていきました。

海面に雨が降り注ぐイラスト
雨がやがて海に
支給の炭素循環のイラスト
二酸化炭素の循環(出典:Wikipedia)

そして、生命はこの海の中から生まれてきます。
1つの細胞しか持たない単純な微生物から始まり、5億4000万年前の「カンブリア紀」には爆発的にさまざまな種が生まれ進化しました。
その後、4億3500万年前~3億5500年前にかけて植物、節足動物、両生類が海から陸へと上がりさらに進化することになります。

奇跡2:地球の公転軌道の位置と形

太陽系のような、1つの恒星(太陽)のまわりを複数の惑星が公転している惑星系において、生命が存在できる可能性のある領域を「ハビタブルゾーン」と言います。
聞いたことがある方もいらっしゃるかと思いますが、簡単に言えば、太陽に近すぎず、遠すぎずという範囲のことです。地球は太陽系の惑星の中で、唯一その領域に入っていて、しかもほぼその中央に位置しているのです。
金星のように太陽に近いと、高温のため水は水蒸気のまま雨にはならず海ができないため、大気中の二酸化炭素は96%を占めています。逆に天王星や海王星のように太陽から遠いと気温が極端に低く水は氷になってしまいます。

惑星が並んでいてハビタブルゾーンを示すいたスト
ハビタブルゾーン

また、地球の公転軌道はほとんど円形ですが、他の惑星では楕円を描くことがあり、その状態だと気候や温度の変化が大きくなり生活しにくい環境になってしまいます。
地球は一年を通して変化が少なく生物が住みやすい環境にあるのです。

地球の公転軌道を円で示した図
地球の公転軌道(出典:国立天文台)

奇跡3:地球の大きさ

地球がちょうどいい大きさなのも1つの要因です。
小さいと重力も小さくなり大気を引き留めておくことができません。
火星が良い例で、直径が地球の半分しかないため重力も小さく、大気が非常に薄い状態です。
過去には大気や海があったと言われていますが、少しずつ宇宙に放出されていったと考えられています。
残念ながら今のところ火星に生物はいないことが分かっていますが、過去に川が流れていたであろう場所から微生物の痕跡を地球に持ち帰ろうと、NASAと欧州宇宙機関の協力ミッション「火星サンプルリターン計画」が2030年代に予定されています。楽しみですね。

地球と火星を並べて大きさを比較した図
地球と火星、大きさの違い

逆に大きいと重力も大きくなるため、周りのガスを取り込んでしまい木星や土星のようなガス惑星となってしまいます。

木星と土星を並べて大きさを比較した図
巨大ガス惑星である木星と土星

奇跡4:太陽の寿命

太陽は主系列星の中でも質量が中間に位置するため寿命が長く、その長さは約100億年と考えられています。
生命が進化するには数億年~数十億年かかると言われていますが、この間太陽は十分に光を与え続けてくれています。

太陽の寿命を表した図
HR図(ヘルツシュプルング・ラッセル図 )

奇跡5:地磁気が地球を守る

そんな地球には不可欠な太陽の光ですが、太陽は、「太陽風」と呼ばれる極めて高温の電離した粒子(プラズマ)も放出しています。実はこの「太陽風」が地球に直撃すると大変なことになってしまいます。
人工衛星の機器に異常が発生したり、無線通信が途切れたり、地上の電気設備や海底ケーブルなどに異常電流が流れ込み、それが原因で重大な障害が発生したりします。
実際に私たちの体では感じることはできませんが、地球が作り出している磁場(地磁気)が地球全体を覆っているため、太陽風の影響を抑えてくれているのです。
地磁気がこのような役割を果たしている惑星は、太陽系の中でも数個しかありません。

地球の磁場が太陽風を抑えているイラスト
太陽風から地球を守る地磁気

奇跡6:月の存在

月の引力の影響により地球の地軸は安定し、自転スピードもほぼ一定に保たれています。
月が存在しなかった場合、地軸は安定せず、自転スピードも1日約8時間と現在の24時間よりもかなり速い速度で回転することになります。
そうすると不安定で荒れた天候となり、現在のような大気成分にはならないため、生命の誕生や進化が望めない環境になってしまいます。

地球と月を並べて大きさを比較している図
月と地球の大きさ

奇跡7:銀河系における太陽系の位置

地球のある太陽系は「天の川銀河」の中の1つの惑星系に過ぎません。その位置は銀河系の端の方になります。
銀河系の中心に向かうほど星が密集し、互いに干渉しあうので、生命が誕生する条件が厳しくなるのです。
他の星の影響を受けにくい「天の川銀河」の端に位置する太陽系、そこに地球は属しているのです。

天の川銀河を正面と横から見たイラスト
天の川銀河と太陽系の 位置(出典:アストロアーツ)

※余談ですが、天の川はこの銀河系を横から見ていることになります。中心方向は星がたくさんあるので、夏の天の川(いて座の方向)は明るく見えます。逆に外側方向は星が少ないので、冬の天の川にはあまり多くの星が見えません。

奇跡8:巨大な外惑星の存在

太陽系には多くの小天体や星間物質が飛び交っていて、これらが地球の生命を脅かす要因となる可能性があります。
そんな危険要因を回避してくれるのが、木星や土星などの地球より外側の大型惑星です。
これらの大型惑星は重力が強いため、地球に影響を及ぼしそうな小天体や星間物質を引き付ける役割を果たしてくれていると考えられています。

水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星を並べて大きさを比較している図
巨大な外惑星 (木星、土星、天王星、海王星)

さて、ここでは奇跡1~8まで見てきましたが、こうした条件を知れば知るほど、これらの条件をクリアしてきた地球がいかに貴重な存在であり、奇跡の星なのかがよく分かりますよね。

大切にしたい地球環境

地球が誕生したのが約46億年前。
海ができたのが約44億年前。
最初の生命(単細胞アメーバ)が誕生したのが約35~40億年前。
現生人類であるホモ・サピエンスが登場したのは約40万年~25万年前と言われています。

極寒の北極、南極から灼熱の赤道のジャングルまで、環境に適した動植物が複雑な生態系を作り、美しく壮大な景色が地球上に存在しています。
※ちなみに、既知の総種数は、植物は約27万種、動物は約148万種です(まだ知られていない生物を含めると地球上の総種数は、500万~3,000万種と考えられています)。

地球の生態系を表したイラスト
地球上に生きる多種多様な生物

気が遠くなるような時間をかけて、これだけ多くの種を生み出してきた「奇跡の星:地球」を、ほんの数十万年前に現れた人類が壊してよいわけがありません。
いかに地球が貴重な存在なのかを世界中の人が理解することで、地球上のすべての生命体がこれからも繁栄できるようにしたいものです。

市街地の大気汚染の写真
大気汚染
山火事の中で動物が逃げているイラスト
山火事
海中にゴミが散乱している写真
水質汚染
海面に浮かぶ巨大な氷山が崩れ落ちる写真
氷の溶解
様々な絶滅危惧種のコラージュ写真
絶滅危惧種(一部)

終わりに

なんだか全体的にちょっとまじめで硬い話になってしまいました。
ただ、よくSF映画で未来の地球を描く話がありますが、その多くは人類がほとんどいなくなったり、地球から脱出したりする、とにかく人類が危機に瀕するパターンが多いですよね。
極端な話、そうなる可能性がある?!かもしれませんので、一応警鐘を鳴らしてみました。
次回からはもう少し楽しく読んでもらえるように頑張ります。

サン・フレア(SunFlare)の社名の由来

実は、株式会社 サン・フレア(SunFlare)の社名は、太陽の「ある活動」から名付けられたのですがご存じでしたか。
ホームページにも少し触れていますが、太陽の表面で起きる強力な爆発現象である「太陽フレア(Solar Flare)」のように、社員一人ひとりが得意分野を活かして熱意を燃やし続け、”ファミリー”のように互いをきらめかせ合うという意味が込められています。
もちろん社員は全員知っていますが、みなさんにもこの機会に覚えてもらえるとうれしいです。
翻訳、ドキュメンテーションに関するご相談は、ぜひ「株式会社 サン・フレア」まで!
お待ちしております。

この記事を書いた人

Kazz

サン・フレアには1998年入社
現在は、マーケティング・デザイン室在籍
「星空案内人」の資格を持っており、サン・フレア社員向けに「毎月の星空案内」「ISS(国際宇宙ステーション)観望情報」を配信したり、「非常階段踊り場観望会」「出張観望会」など開催したりしています。

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