こんにちは。SunFlare Style運営メンバーのisaoです。
牛歩ブログの3本目になります。
ちなみに僕の過去記事はこちらです。
今回は「Webサイトのラベル」について書いていきます。
ラベルとはなんぞや?
Webサイトにおけるラベルとは、ナビゲーションのメニュー名やページ内の見出し、フォームの入力項目名などのことを指します。デザインではなくコンテンツの話です。
ナビゲーションなら会社概要、製品案内、IR情報、お問い合わせ、とか。
フォーム項目ならお名前、ご住所、お問い合わせ内容、とかですね。
ここを読んでいる企業のウェブ担当者の方、ご自身の会社のサイトではどのようにラベルを決めているでしょうか?
「そんなもん普通に●●●●でしょう」「制作会社が決めてきたからそれでいいかなって」とか、あまり深く考えてなくないですか?他社はどう考えているのか気になりません?
そのあたりを書いていきます。
それでははじめましょう。
Webサイト?ホームページ?
ラベルについてあれこれ語る前に、Webサイト自体の呼称にも触れておきます。
ここを読んでいる方(制作畑の方よりは事業会社の広報やWeb担当の方が多いのではと思います)、自社のWebサイトのことを普段何と呼んでいますか?
「Webサイト」の呼称について、インターネットの変遷と僕の曖昧な記憶で振り返ってみます。
1991年、世界で最初のWebサイト降臨
世界で最初のWebサイトは1991年8月6日、スイスの欧州原子核研究機構(CERN)のTim Berners-Lee氏によって公開されたものと言われています。アーカイブとして残っているのでリンクしておきます。
https://info.cern.ch/hypertext/WWW/TheProject.html
日本では1992年9月30日、KEK(当時:文部省高エネルギー物理学研究所計算科学センター、現在:高エネルギー加速器研究機構)森田洋平博士によって発信されたものが最初のWebサイトとされています。同じくアーカイブへのリンクです。
https://www.ibarakiken.gr.jp/www/first/kek.html
ティムさんの方はWorld Wide Webが見出しになっていますが、これはティムさんが提唱した「蜘蛛の巣のようにワールドワイドで繋がろうぜ」的なシステム?概念?なのでWebサイトの呼び方として使われたのかどうかはわかりませんね。
一方、森田さんの方は「KEKのWWWサーバへようこそ」とされています。
どちらを見ても、この時点ではWebサイトともホームページとも呼び名としては定義されていなかったのかもしれません。
その後、一般にもインターネット回線が普及し、90年代中頃から個人もWebサイトを作る時代になりました。この頃には個人サイトのタイトルには「ホームページ」「ホムペ」「ホメパゲ(homepage)」などの呼称が並んでいた記憶があります。
「サイト」という言葉が浸透してきたのは、携帯電話のi-modeサービス(1999年)とともに「公式サイト」「勝手サイト」や「出会い系サイト」などが登場し、耳にするようになった頃のように思います。ミレニアム前夜で世の中がなんとなく浮ついていた頃でしたね。
いや、企業がWebサイトを開設し始めてしばらく経ってから、「企業サイト」「コーポレートサイト」という言い方をするようになったのが先だったかもです。肌感覚なので厳密には時系列が違うかもしれません。
トップページ?ホームページ?
このような経緯があり、個人的には「ホームページ」はWebサイト全体を指す呼称と捉えていました。僕は制作畑にいたので、早い時期からホームページではなくWebサイトという呼称を使っていました。イケてる感が出てると思ってたやつですね。
ただ、ふと気づいたのが「ホームページとは言いも書きもしないけど、ナビゲーションにはHomeってラベル付けするよな。でもそれは、ホームページのHomeじゃなくてトップページの意味だよな。」と若干の矛盾を感じました。
「トップページ」は文字通りWebサイトのトップ、顔になるページ、すなわち最上位階層にあるページ、という意味でこれまでずっと使ってきました。
Webサイトのデザインプレゼンでも、「御社Webサイトのホームページデザイン案を~」じゃなくて「御社Webサイトのトップページデザイン案を~」だよなと。
それならトップページとホームページの使い分けは何なんだと。
Webに関する用語は新しく登場するもの、消えていくもの、その時代により意味合いが変わるもの、さまざまあります。同じことを言っているようでも、使う人によって呼称もニュアンスも違う用語があり、それがWebサイトでどのような使われ方をしているかが気になってしまうんですね。
そしたらちょっと調べてみるかということで、ただ調べて書くだけだと芸が無いから、少しでも翻訳会社的な視点を加えようと、無い頭で考えたのが
「日本企業のコーポレートサイト英語版ではどのようにラベル付けしているのか」
に、たどり着きました。これはブログネタとして面白そうだぞと。
日本の上場企業100社の英語版Webサイトを調べてみた
さて、ここからが本題で、そこそこ工数を割いて仕込んだネタになるので、ぜひ読んでいただきたいです。
調べてレポートするなら、ある程度のサンプル数は必要だろうということで、なんとなく100社調べてみようかなと。ブログのタイトルとしても
上場企業10社調べ
より
上場企業50社調べ
より
上場企業100社調べ
の方が多少なりともインパクトあるだろうと。
まず調べたのがトップページを表すラベルです。
Webサイトでこのラベルが使われるケースで思い浮かぶのはこんな感じですかね。
- グローバルナビゲーション
- パンくずナビゲーション
- (見た目上の)サイトマップページ
これらを注視して無数にあるWebサイトを、超人手巡回調査した渾身のレポートをご覧ください。
証券会社が発表している株式公開企業ホームページ充実度ランキングや、イケてる上場企業サイトのリンク集などを利用しようかとも考えましたが、一定の評価や表彰をされているサイトだと結果に偏りが出ると思ったので、できるだけ中立にということで東証の上場企業データからランダムにピックアップすることにしました。
- Excelでリスト化されている企業名を、Googleの検索クエリになるようにURL結合させたハイパーリンクを1行ずつクリックしてWebサイトを開く。
- 目視で確認したらメモって[Ctrl] + [W]でタブを閉じる。
- これをひたすら繰り返し。
いけるかな?と思ったネタではじめたことですが、20サイトほど調べ終えたところで(しかも英語版が無いWebサイトもあるので、実際はその倍ぐらい見ている)飽きてくるし、タブを閉じる左手の小指と中指も攣ってくるし、これだけやってどれだけPVを稼げるかもわからないですからね。きついですね。
で、結果はと言いますと、
最も多かったのがHomeで約7割のコーポレートサイトで使われていました。
次いでTopが2割強でした。トップページをTopと表現していることで、ある矛盾が生じていたWebサイトもありましたがそれは追い追い書きます。
珍しいところでは企業名をトップページのラベルとしているサイトもありました。
当社Webサイトの英語版、翻訳サービスページのパンくずナビゲーションだと
HOME > Services > Translation
が
SunFlare > Services > Translation
こうなる感じです。この発想は持ち合わせていなかったのでなるほどですね。
これにより大多数のWebサイトがHomeを採用していることがわかりました。
ついでに海外の上場企業のWebサイトもいくつか見てみた
参考までにアメリカ上場企業のWebサイトはどうかなとチェックしました。
日本企業100社で疲れた(飽きた)ので、それほどの数は見ていませんが。
こちらも圧倒的で8割のWebサイトがHomeでした。Home Pageがそこそこ出てきたのには若干驚きましたね。
「みんなの意見は案外正しい」ってことで、日英それぞれトップページをHomeとラベル付けしているWebサイトが多く、それがユーザーの目に触れる機会も多いので、「トップページ=Home」という認識は既に確立しているのでは。そして、これからWebサイトを立ち上げたりリニューアルしたりする際は、マジョリティのチョイスに乗っかるのが良いかと。
ここではラベルを例にしましたが、それ以外にもレイアウトや挙動など、独創的なものを作ろうとして、逆にユーザビリティの悪いWebサイトにならないようにしたいものです。
続きは後半に
前置きのウンチクが長くなったので、続きは後半として記事を分けます。
後半では、Home以外のラベルはどうか?
- 会社概要
- お問い合わせ
このあたりも調べてます。
また、ラベルについて英語ネイティブの方にも意見を聞いてみたので、それも最後に掲載します。
【後編】上場企業100社調べ:Webサイトのラベルを調べた「トップページ」?「ホームページ」?
この記事を書いた人
isao
Web direction / Web marketing
サン・フレアのクリエイティブ/マーケティング部門で働いてます。