まず初めに
みなさん、知財BUの顧問の石原です。私のことをよく知らない方に向けて、まず初めに自己紹介からさせていただこうかと思います。
① 知財の世界での経験
化学系企業の積水化学工業(株)にて約30年間にわたり知財業務経験を積みました。(その間、14年間は理事・知的財産部長として全体マネジメントに従事)
社外活動として、日本知的財産協会副理事長や京都大学産官学連携フェローの他、若手・中堅知財関係者の人財育成のために「知財PeCo」という互学互修の場を20年前に設立し、現在も約100名規模で継続しています。
②サン・フレアでの顧問として
定年退職後、サン・フレア社からお声掛けを頂き、主としてこれまで培ってきた人脈を活かして新規顧客開拓に従事しています。最近は、企業知財部門のキーマンに向けたセミナー活動などもおこない、サン・フレアの知名度向上の一翼を担わせてもらっています。
③今回のブログへと至る道すじ
顧問活動とは別に注力しているのは「ボケ防止活動」です(笑)。具体的には、最新のJポップを練習し、わが子より若い連中にカラオケにお付き合いしてもらっています。
男性ボーカルなら、優里・King Gnu・なとり・シャイトープ・MAN WITH A MISSION・友成空・LET ME KNOW、女性ボーカルなら、あいみょん・Uru・Aimer・Reol・milet・あたらよ、などです。
みなさん、ご存じですか!?歌えますか!?(笑)
でも、このような活動では、知的好奇心はあまり満足させられません。ということで、カラオケ仲間のレディーたちからのお誘いを受け、最近はワインのソムリエ資格への挑戦を始めました。世界各国のワイン産地、ワインの種類とぶどうの品種、歴史、地理など、膨大な知識を詰め込む試験勉強に日々悪戦苦闘しています。
勉強の合間の息抜きとして整理した初歩的な知識を「おしゃれで知的なメンズ&レディースのためのワイン蘊蓄講座」として整理しました。
みなさん、お仕事の息抜きに愛読してもらえればうれしいです。
第1章 ボルドー
フランスのワイン産地はご存じですか?
この地図にあるワイン産地のいくつかは聞いたことありますよネ!?
さて、突然ですが問題です。
これらはボルドーワインとブルゴーニュワインのボトルです。どちらがボルドーでしょうか?
正解は、左側のいかり肩の方がボルドーです!!
全体の約90%が赤ワインのボルドーですが、タンニンの強い黒ぶどうから造られる長期熟成タイプのため、滓(おり)[タンニンやポリフェノールの結晶化物]が残りやすく、瓶詰め前にそれを完全に除去するのは難しいらしいです。
なので、グラスに注ぐ際に、そのいかり肩の場所にその滓がたまるようにしています。
一方、ブルゴーニュワインは、白はシャルドネ、赤はピノ・ノワールというぶどうを使うことが多く、これらのぶどうは比較的軽めで、滓が発生することは少ないそうです。なので、なで肩形状の瓶でも大丈夫です。
それと、ブルゴーニュ地方では、古くからカーブと呼ばれる地下室にワインを貯蔵しているので、狭いスペースに無駄なく効率的に保管するためにも、ワインを交互に入れられるこの形状が好まれたようですヨ!
第2章 カヌレの話
えっ、ワインじゃないの!?(笑)
では、まずは少しだけワインのお話を。
赤ワインは黒ブドウの実を果皮や種と一緒に発酵させて造られますが、その果皮などはその後は不要となるので濾過して取り除きます。問題なのは肉眼では確認できない濁りの原因となっているワインのタンパク質成分です。これらは濾過では除去しきれません。そこで、それらを取り除く清澄工程が重要となります。これを「コラージュ」と言います。いろいろな清澄剤がありますが、主流は卵白です。
バリック樽(225ℓ)に入っているワインに対して最低3個分の卵白があれば効果を発揮するそうです。ボルドーワインの年間生産量は約4.5億リットルなので、単純計算で年間600万個分の卵白が消費されます。ここで余った超大量の卵黄の使い道として、ボルドー地方では「カヌレ」が開発されたらしいですヨ!!これホント!
カヌレ5個を作るのに卵黄1個分を使うそうなので、ボルドー地方では余った卵黄を利用して年間3,000万個のカヌレが作られてきたことになります。
これからは、カヌレを食べる時にはこの蘊蓄を紹介してあげましょうネ。
第3章 地理のお勉強
ボルドー地方を流れる川のお勉強です。
フランスの中央山地を水源としたドルドーニュ川と、スペインとの国境沿いにあるピレネー山脈を水源としたガロンヌ川が、ボルドー市の下流で合流してジロンド川と言う名前になって大西洋へと注ぎ込みます。北側にあるのがドルドーニュ川で、その南側をガロンヌ川が流れています。
ドルドーニュ川により運ばれた粘土質の土砂はその両岸およびガロンヌ川の右岸に堆積し、ピレネー山脈の礫岩(れきがん)が砂利となってガロンヌ川ではるばると運ばれてきて、その左岸や合流後のジロンド川の左岸に堆積します。
水はけの良い砂利を好むのはカベルネ・ソーヴィニヨンという黒ぶどうで、粘土質の保水性を好むのがメルローです。
ボルドーワインと言えば、重くて濃厚なフル・ボディの赤ワインです。それは、少し軽めのメルローではなくてカベルネ・ソーヴィニヨンから造られるんです。
なので、ボルドーの高級赤ワインはそのほとんどがガロンヌ川&ジロンド川の左岸で造られているんですヨ!
次回第4章の格付けシャトーでお話しする超々高級赤ワインたちもすべて左岸で造られています。
第4章 格付け
「ワインの格付け」って聞いたことありますか?
ブルゴーニュ地方では、ぶどう畑ごとに格付けがなされていますが、ここボルドー地方では、ぶどう畑を所有しそこで栽培し、そのぶどうを使って醸造を行う生産者[シャトーと呼ぶ]ごとに格付けがなされているんですヨ。
左岸にあるメドック格付けは1級から5級までの合計61シャトーもあります。
ソムリエ試験ではこのカタカナの嵐を覚えると言う地獄の暗記作業が待っています。
(ちなみに試験本番では仏語表記で出題されるんです。)
この格付けはナポレオン3世が1855年に開催した第1回パリ万博でおこなわれました。
61の格付けシャトーの中で、1級は5つだけ!!
せめてこの5つだけは、すてきなメンズ&レディーとしては覚えておかないとダメですヨ!
シャトー・マルゴー
シャトー・ラトゥール
シャトー・オー・ブリオン
シャトー・ラフィット・ロートシルト
シャトー・ムートン・ロートシルト
私は、最高級ステーキのシャトー・ブリアンとワインのシャトー・オー・ブリオンを混同して覚えていて恥ずかしい思いをしたことがあります(汗)。
第5章 貴腐ワイン
貴腐ワインって聞いたことありますよネ!?
貴く腐ってるって、何やねんって感じですが…(笑)
甘口ワインの一種なんです。それも極甘口!!
ポトリティス・シネレア菌って名前の貴腐菌が存在し、それがぶどうを腐敗させる灰色カビ病の原因となります。しかし、ある所定の気候条件下では役に立ちます。
ぶどうの果皮から菌糸が侵入して果皮の組織が破壊され、その後、日照が多く乾燥した天候が続くことでブドウ中の水分が蒸発していき、収穫時には糖分などのエキスが凝縮した貴腐ぶどうへと変貌を遂げるのだそうです。
そんな貴腐ぶどうを醸造すると極甘口ワインとなります。
その気候条件とは、早朝に霧が発生して、日中は晴天が続いて乾燥するような日が1カ月以上続く必要があるそうです。
そんな気候条件に合致する地域は世界に何カ所かあり、その一つがボルドー地方のソーテルヌ地区なんです。
ここは、南方から流れてきた比較的温かいガロンヌ川に、冷涼な流れのシロン川が合流することで朝霧が発生します。
トカイ地方はハンガリー北端のスロヴァキア国境と接するゼンプレーン山脈の裾野に広がるワイン産地で、ボドログ川とティサ川という二つの川が合流する地点にトカイ山があり、その地点が貴腐ぶどうへと育つ条件に合致しています。
このような条件に合致する産地は少なく、また生産も気候任せなので、毎年安定して供給されないため、貴腐ワインは高額なのだそうですヨ。
いかがでしたでしょうか。まずは前編として、5章分の蘊蓄を掲載しました。次回のブログもお楽しみに!
この記事を書いた人
石原 幹也
積水化学工業株式会社で30年強、知的財産業務に従事。
現在はサン・フレアの顧問として新規顧客開拓活動をおこない、企業知財活動についてのセミナーも不定期に開催しています。
最近は、多くのシニア世代と同様に、朝の出勤から解放されてライブにてドジャースの大谷翔平選手の活躍を応援しています。
みなさん、ポストシーズンごとに行われる大谷選手のシャンパンファイトを観ながら、シャンパンの蘊蓄を思い出してくださいネ!