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~若手3年目が密着!その訳、AIに任せますか?“人間力”が光る翻訳の現場~

目次

  1. まずはアイスブレイク!
  2. 普段の業務について!
  3. 社内でのITツール活用について
  4. AIで誤訳は防げるのか?
  5. コーパス構築の舞台裏
  6. サン・フレアの強みとは?
  7. 翻訳会社の存在意義とは?

~若手3年目が密着!その訳、AIに任せますか?“人間力”が光る翻訳の現場~

「翻訳会社って、今も必要なの?」そんな疑問を持ったことはありませんか?
ペーパーレス化やDXが進む現代、機械翻訳の精度も飛躍的に向上し、誰もが簡単に翻訳できる時代になりました。しかし、それでもなお翻訳会社が求められる理由があるのです。
そこで今回から、シリーズ形式で、入社3年目の若手社員である私たちが社内の様々な専門家―エキスパート―たちにインタビューを実施し、みなさまにお届けします。
翻訳会社だからこそ提供できる価値、そして会社の魅力とは?翻訳業界の未来を切り拓く挑戦について、じっくり掘り下げていきます!

このメンバーでお送りします。

小川:美白命
曹:おちょこまん
田邊:毎日白T

まずはアイスブレイク!

今回は第3弾として田邊さんにお話を伺いたいと思います。田邊さん本日はよろしくお願いします!

お願いします!

暑くなってきたので、まずは夏の思い出を聞かせてください!

そうですね、昔は息子のサッカーチームのコーチをしていて、夏は合宿に同行するのが恒例でした。娘はバレエをやっていて、発表会の送迎もしていましたね。

すごくアクティブですね!

今でも週末は試合や発表会に顔を出しています。

すてきなパパな田邊さんでした!

普段の業務について!

田邊さんは普段どんな業務をされているんですか?

端的に言えば現場の課題をITでどう解決するかを考える“相談役”をしています。クライアントや制作現場の要望を踏まえ、最適なワークフローやツールを提案しています。

具体的にはどんな相談が多いですか?

お客様からの要望はもちろんのこと、翻訳者がどうやって作業すれば効率的か、お客様が望む納品ができるように品質担保ができる形で何を提案できるのかを日々模索しています。

社内でのITツール活用について

CATツールやTMSについて、業界的には最近どの分野に広がりを見せていますか?

CATツール(Computer-Assisted Translation)は、翻訳メモリや用語集を活用して翻訳者の作業を支援するソフトウェアです。人間の翻訳精度を保ちつつ、作業効率と訳出の一貫性を向上させます。

TMS(Translation Management System)は、翻訳プロジェクトの進行管理、翻訳メモリや用語集の活用、ワークフローの自動化などを通じて、翻訳作業を効率化・標準化するツールです。大規模・多言語翻訳に特に有効です。

業界によって違いますが、IT業界では2000年頃から使われ始め、今ではライフサイエンスや知財分野にも広がっています。翻訳管理システム(TMS)も普及していて、クライアント側で翻訳を管理するケースも増えています。

MTPEについても伺いたいのですが、田邊さんが思う最近のトレンドは?

機械翻訳の精度は上がっていますが、文脈や業界用語のニュアンスの理解には限界があります。ポストエディットは効率的ですが、センテンス単位の修正だけでは全体の統一感が欠けることもあります。

用途によって使い分けが必要なんですね。

そうです。外国語の資料を社内で把握する程度なら簡易翻訳でもOKですが、外部に公開する資料などであれば品質が重視されます。

MTPEを使う上での注意点はありますか?

流暢すぎて誤訳や業界用語のブレに気づきにくい点や、背景情報を踏まえて翻訳しなければいけないところを、AIが考慮せずに訳してしまう点があげられますね。AIも含めて、100%信用できるものではないので、翻訳の良し悪しを見極める力が求められます。

AIで誤訳は防げるのか?

誤訳を防ぐための対策って、今後AIで進化していくのでしょうか?

そうですね。AIにチェック時の前提条件を与えると、人間が見逃した部分を拾ってくれることもあります。ただ逆に、以前は拾えていたのに急に見逃すこともあります。だから最終的な確認は人間の役割ですね。

この作業は、実際に現場でも使われているのですか?

はい、使っています。特にゲーム案件では、文化的に敏感な表現がないかをAIでチェックしたりします。日本人には普通でも、海外ではNGな表現って意外と多いです。

ゲーム翻訳・ローカライズ | 国内実績トップクラス‐サン・フレア

ドラマの台本など、文化的な観点でのチェックもAIでできるようになるのでしょうか?

可能です。ただ「文化的」と一言で言っても曖昧なので、ジェンダーや差別など、具体的な観点を明示する必要があります。実際にいくつかの観点を指定してAIにチェックさせたこともあります。人間は「問題なし」と言っても、AIは100個くらい指摘してくることもあるんです。でも最終的な判断は人間がするので、AIはあくまで補助ツールですね。

ゲームの翻訳って、どんな内容だったんですか?

キャラクターのセリフです。口語体で世界観に合った表現が求められるので、文化的なチェックが重要でした。翻訳自体は人手で行いましたが、ネガティブな要素を含む差別表現のチェックにはAIを活用しました。

今後はAIによるチェックがもっと活用されそうですね。

はい。ファクトチェックなどもAIである程度可能です。ただ、完全ではないので、人間との役割分担が重要です。AIが進化しても100%にはならない。だからこそ人間の存在意義があるんです。

最終的には人とAIで“100”を目指すということですね。

そうです。AIでスタートラインが0から50になるなら、生産性は確実に上がります。人間の役割は変わっていくけれど、なくなることはありません。

コーパス構築の舞台裏

田邊さんが携わるコーパスについてもお話が伺えればと思います。

「コーパス(corpus)」とは、実際の言語の使用例を大量に集めて整理したデータベース。テキストや会話など、様々なソースから収集され、言語の研究やAIの学習に使われます。
機械翻訳の学習素材や言語学の研究など、様々な分野での研究に役立っているんです!

どのようなコーパスを作られているんですか?

はい、対訳コーパスを中心に構築しています。音声コーパスもありますが、主力はテキストベースですね。

もともとは東京オリンピックに向けて英語・中国語・韓国語から始まったものなんですよね。

そうです。今では、外国人労働者の増加を見据えネパール、モンゴル、インドネシアなどの言語にも対応しています。

実際に現地にも行かれているんですよね?

はい、モンゴル、ネパール、タイ、ベトナムなどに行きました。滞在は1週間ほどで、現地ベンダーにプロジェクトの説明や収録の指導をします。

印象深い国はありましたか?

ネパールですね。現地の方に夕食に招かれて、水牛の脳みそなど珍しい料理をいただきました。普段なかなか食べられないものなので、貴重な体験でした。

サン・フレアの強みとは?

田邊さんが思うサン・フレアの強みとは何でしょうか?

一番は「対応力」ですね。どんなツールでも柔軟に対応できるし、社内にエンジニアやDTP、チェッカー、教育部門まで揃っている。特にエンジニアが20名以上いるのが当社の強みですね。翻訳会社でここまでの体制があるのは珍しいと思います。様々な翻訳管理ツールにも対応できますし、「そのツールは使えません」と断ることはまずないですね。お客様の環境に合わせて最適な提案ができるのが強みです。

営業としては、社内対応が充実しているのでお客様にいろんな提案ができるのが心強いです!

翻訳会社の存在意義とは?

最後になりますが、翻訳会社の存在意義って「提案力」にあると思うんです。田邊さんはどう考えますか?

まさにその通りです。お客様や社内の立場に立って「こうしたらもっと良くなる」と考えることが大事。翻訳会社だからと翻訳のことだけ考えるわけではなく、相手の立場にたって物事を考えるようにしています。

営業としてゴールを見据えた提案をしていきたいと思いました。貴重なお話ありがとうございます!

本日はありがとうございました!

ありがとうございました!

今回のインタビューでは、翻訳業界におけるITとAIの進化、そして人間の役割について、田邊さんの豊富な経験と実例を交えて深く掘り下げることができました。
MTPEの現状や課題、AIによる文化的チェックの可能性、さらにはコーパス構築の国際的な取組みまで、技術と現場のリアルが交差する貴重なお話ばかりでした。
「提案力」と「対応力」を軸に、サン・フレアがどのようにお客様に寄り添い、価値を提供しているかが明確になった今回。翻訳の未来は、テクノロジーと人の力が融合することで、さらに広がっていくと感じさせられる時間でした。

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MTPEから人手翻訳までどんなことでも、ご相談ベースで構いませんので、お気軽にお問い合わせください。

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