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ゲームの利用規約・プライバシーポリシー、翻訳の注意点

目次

  1. 規約・ポリシーの多言語化の必要性
  2. 翻訳における注意点・ポイント

海外ユーザーに向けてゲームローカライズをおこなう際には、ストーリーやセリフなど、ゲームの世界観に合わせたクリエイティブな翻訳が求められます。一方で、利用規約などの法務系の翻訳も必要になり、これらはインゲームテキストとは異なり、法務翻訳に関する専門的な知識が必須になります。
この記事では、プライバシーポリシーや利用規約の翻訳のポイントと注意点などについて解説します。

規約・ポリシーの多言語化の必要性

まずプライバシーポリシーや利用規約の多言語化の必要性について説明します。

ゲーム内容のローカライズだけでは不十分

大前提として、グローバルユーザーに向けて開発されたゲームの場合、複数の言語で展開した方がユーザー獲得にはプラスに働きます。特に近年はゲームの世界的な普及によって、非英語圏のユーザーの存在は非常に大きくなり、英語版に加えて複数言語での展開が必要不可欠になりつつあります。

グローバル版を展開する際には、インゲームテキストの翻訳に加え、プライバシーポリシーや利用規約の多言語化も必要となります。それは、各言語圏のユーザーに向けて、個人情報の取り扱い方針、セキュリティ対策などに関する事前承諾を得たり、ゲームをプレイするユーザーが守るべきルールを明確にするためです。

多言語化でユーザーが安心して承諾できるように

前述の「ゲームをプレイするユーザーが守るべきルール」は利用規約に定められており、その中には禁止事項・禁止行為などが記載されています。ゲームのプレイ前に、ユーザーからこの利用規約への承諾を得ることが求められます。

アプリの利用に関する統一的なルールを提示し、ユーザーによる承諾がおこなわれることで、ユーザーがサービスや製品を適切に利用し、利用者・運営会社間の法的なトラブルや紛争を回避できるようになります。

その際、プライバシーポリシーや利用規約を各国のユーザーが理解しやすい言語で表示することは、ゲームそのものやデベロッパーに対するユーザーの安心感・信頼感を高めることにもつながると言えるでしょう。

翻訳における注意点・ポイント

続いて、プライバシーポリシーや利用規約の翻訳における注意点やポイントについて説明します。

法務文書としての質が担保された文章に

まず理解しておきたい点は、インゲームテキストのような世界観に合わせた翻訳とは異なり、利用規約・プライバシーポリシーは「法務文書」としての性質が強いことです。

翻訳者にはそれぞれ得意な専門分野があり、インゲームテキストの翻訳で実績がある翻訳者だとしても、法務翻訳に関する知識や経験が乏しい場合は、利用規約・プライバシーポリシーの翻訳を担当させるべきではありません。具体的には、日本の「個人情報保護法」やEU(欧州連合)の「一般データ保護規則」(GDPR)に関する知識が必要となります。ちなみにGDPRではプライバシーポリシーの多言語化対応が義務付けられています。

もちろん、英語圏で展開する場合の規約やポリシーにおいては、英米法に準拠する項目が求められるため、英米法や英文契約書に関する知識も必要とされます。

一般ユーザーも読みやすい文章に

利用規約やプライバシーポリシーは法務文書としての正確な翻訳が求められますが、同時に一般のエンドユーザーを読み手に想定して作成される文章であるため、トラブルの発生を極力減らすために、ユーザーにとってわかりやすい文章表現になっているか配慮されていることも重要です。
法務文書の翻訳では内容が難解になりがちであるため、この点も特に意識する必要があります。

また、エンドユーザー向けという点も考慮し、和訳の場合は「です・ます調」で文章を作成することが適切です。義務に関する条項では「~します」「~していただきます」「~してください」といった言い回しを適宜使い分け、高圧的な印象を避ける必要があることも、重要な視点と言えます。

専門用語の翻訳の的確性や統一を徹底する

インゲームテキストの多言語翻訳においても、用語の的確な翻訳や統一は求められますが、利用規約・プライバシーポリシーの翻訳においては、法務翻訳の知識に基づいた用語訳や表記・表現が必要になってきます。

ユーザーとゲームのパブリッシャー(販売元・提供元)の間で訴訟が起きた際、用語の表現一つで責任や過失に関する判断が大きく変わるケースがあるためです。法務文書の翻訳スキルがない翻訳者では、適切な訳の判断がつかず、正しく翻訳できない可能性があります。

ただし、多くの翻訳会社では、リーガルチェックまでを請け負うことができないということも知っておきましょう。リーガルチェックとは、契約書の内容を法的な観点から精査する実務であるため、別途、各社の顧問弁護士など法律の専門家に依頼する必要があります。

また、法務翻訳においては機械翻訳の使用には十分注意が必要です。機械翻訳は、法務文書であることや各ゲームの内容などを考慮して翻訳をしてくれるわけではありません。また翻訳漏れや誤訳等の問題が起こりやすいため、正確性・統一性が求められる法務文書の翻訳には適していないでしょう。

プライバシーポリシー・利用規約の翻訳は、専門の翻訳会社へ

この記事で説明した注意点やポイントを考慮すると、ゲームのローカライズの際の利用規約・プライバシーポリシーの翻訳は、インゲームテキストの翻訳を専業で請け負っている企業ではなく、法務翻訳や技術翻訳の実績もある翻訳会社に依頼するべきです。

サン・フレアはインゲームテキストの翻訳に対応できることはもちろん、法務文書の翻訳も得意としており、多数の実績があります。また、一つの分野に限らず、法務・IT・マーケティングなど、複数分野にまたがる案件をこなす翻訳者やレビューアも在籍しています。そのため、利用規約やプライバシーポリシーのような「柔らかめの法務文書」も安心してお任せいただけます。

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