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中小企業が特許の外国出願を低コストで実現する方法

目次

  1. グローバル化を目指す企業にとって、進出先での特許権の取得は重要!
  2. 外国に特許を出願するには2つルートがある
  3. 翻訳はどのような手順でおこなうの?

企業のグローバル化が加速する今、海外進出を見据えた特許出願件数は、世界的に増加傾向にあります。特に、中国の特許出願件数が著しく増加したことにより、2011年から2020年までの10年間では1.5倍となっています。そうした中、日本の中小企業でも、海外進出に前向きな企業が増えてきています。

世界の特許登録出願件数の推移

この記事では、外国での特許権を取得し、事業を優位に進めるための情報をお伝えします。まずは外国出願の必要性や、出願までの流れについて解説したうえで、低コストに外国出願できる方法をご紹介します。

グローバル化を目指す企業にとって、進出先での特許権の取得は重要!

日本で特許権を取得すれば、その発明の実施に関わる独占権はどの国でも維持できると思っていませんか?でも、残念ながら日本の特許権は海外では通用しません。確かに、世界各国に通用する包括的な特許の条約を成立させようとする動きもあります。例えば、ヨーロッパにはEPC(欧州特許条約)出願というものがあり、これに基づく特許権は、加盟しているヨーロッパ各国で特許の効力を発揮します。

ただ、現状は、日本国内で認められる特許権が日本の法律で規定されているように、各国それぞれの法律で特許権が規定されています。そのため、例えば日本の発明をアメリカでも独占的に実施したい場合は、アメリカで特許を出願しなければならないのです。それが「外国出願」です。

外国出願するためには、各種手数料なども意外とかかる

外国で特許権を出願するには、出願料のほかに各種手数料が必要となります。具体的には、「国際出願手数料」「送付手数料」「調査手数料」などがあります。出願ルートによっては、「予備審査手数料」「予備審査取扱手数料」なども追加されます。明細書の内容と出願する国の数に応じて費用は変わってきますが、数百万円程度の費用が必要といわれています。中小企業にとって、負担は決して少なくありません。

こうした現状に配慮し、特許庁では、中小企業の外国出願にかかる費用の半額を助成 しています(2023年7月現在)。
独立行政法人日本貿易振興機構(ジェトロ)と各都道府県等中小企業支援センター等が窓口となっているので活用するとよいでしょう。

 令和5年度中小企業等海外出願・侵害対策支援事業費補助金(中小企業等外国出願支援事業)

外国に特許を出願するには2つルートがある

外国出願する方法は代表的なもので2つあります。一つは、パリルートといって、工業所有権保護に関する国際条約であるパリ条約に則った優先権を主張して、各国に出願する方法です。もう一つは、PCT(Patent Cooperation Treat)条約制度が制定されている国に国際出願経由で移行するPCTルートです。
いずれも期限や延長の制度などは国によって異なるので、事情を理解したうえで、翻訳の発注や現地代理人への出願の手続きを進めなければなりません。次に2つのルートについて解説します。

パリルートとは?

パリ条約に基づき、特許を取得したい国に直接出願するのがパリルートです。まずは国内で特許出願し、その後1年以内に、パリ条約に基づく優先権(パリ優先権)を主張して各国に出願します。
パリ優先権を主張すると、その出願内容の新規性や進歩性は、最初に国内出願した時点のものとして判断されます。つまり、出願後1年以内に他国から類似の出願があったとしても、有利に審査が進むということです。ただし、基本的に出願書類は、提出先の国の言語で、それぞれの国の法律で定められた形式で作成しなければなりません。
パリルートは出願する国が少ない場合や事前に出願する国が決まっている場合に、比較的多く活用されている外国出願の方法となります。

PCTルートとは?

PCTルートは、特許協力条約に基づいた国際出願を経由して各国に出願する方法です。このルートでは、特許を取得したい国が複数ある場合、個別に出願する手間が省けます。例えば、日本の特許庁に一つの言語で国際出願をすることで、指定した全ての国(PCT加盟国に限る)に対し、同様の条件で出願できます。
ただし、基本的にはPCTルートで出願後、30ヶ月(または31ヶ月)以内に、各国特許庁に移行させなければなりません。その期間内に、出願先の言語への翻訳文を提出する必要があります。また、移行後、国際基準での審査とは別に、各国で新規性などの審査がおこなわれます。
PCTルートのメリットは複数の国にまとめて出願を出せる点とパリルートと比較して出願を実際に決める(各国に移行するまで)期日が長いのでより慎重に出願国を選定できます。

翻訳はどのような手順でおこなうの?

出願書類を翻訳するには、次の3つの方法があります。
①国内特許事務所に外国出願の翻訳を依頼する
②国内外の翻訳会社に直接依頼する
③自社で翻訳文を準備する。
以下では、これらの方法について解説します。

特許事務所に外国出願の翻訳を依頼

翻訳手段として最も多くとられているのが、特許事務所にお願いする方法です。この場合、依頼された特許事務所が所内で翻訳することもあれば、国内外の翻訳会社に翻訳を依頼することもあります。国内出願を依頼した特許事務所に、そのまま翻訳を依頼するのも一つの手です。特許事務所への費用はかかるものの、翻訳から法的手続きまで、外国出願に関わる業務を全て任せられることは大きなメリットといえます。

翻訳会社に直接依頼

翻訳会社は言語の専門家として特許出願の翻訳に適切な品質を提供する体制が整っています。最近ではITツールを活用して効率的な翻訳を実現しています。また、出願書類の翻訳について好みがあればより細かいニュアンスまで正確に伝えて対応してもらう事も可能です。

自社のリソースを活用

翻訳が好きな従業員もしくは最近ではAIを使った翻訳ツールを活用し、自社内で翻訳して外国の特許事務所に直接交渉する方法もあります。ただ全てのやりとりを出願先の言語で、かつ法律に沿っておこなわなければならないため、この方法は、高い専門的知識や語学のスキルを持ったスタッフがいる企業に限られるでしょう。

サン・フレアでは翻訳業務の「見える化」と経費削減に注力しています

翻訳の手間やコストを抑えるには、企業が自分たちで翻訳するに越したことはありませんが、中小企業には難しいのが実情かと思います。とはいえ、特許事務所や翻訳会社に依頼すれば、それなりのコストがかかります。また、より多くの人が翻訳に関わることで、誰が翻訳しているのかわからない、用語やスタイルの統一化が図れていないといった課題も挙げられます。
サン・フレアでは、直接企業から依頼される場合でも、特許事務所を介して依頼される場合でも、お見積りから納品まで一括して集中的に管理することで品質向上とコストの低減を実現します。また特許出願の翻訳にかかる費用明細を月末にまとめてお知らせすることで、翻訳料金の「見える化」にも努めています。

翻訳コスト削減に向けたサン・フレアの取組み

例えば、翻訳コストを削減するため、当社では独自の類似文章検索ツールを活用しています。出願ファイル(Word)を自社開発のツール上で実行することで、過去に翻訳したドキュメントと類似の内容が含まれているかを自動で算出・判断し、活用できる出願案件の候補が絞り込まれていきます。その後、過去の内容と現在の出願内容との重複箇所を更に精査(画像①のようにWordの比較機能も活用しながら差分箇所を判別します。)して特定し、重複箇所以外を新規で翻訳します。最後に重複箇所を組み込むことで翻訳が完成します。(画像②の全体の流れも参照)こうした重複箇所を効率的に処理して新たに翻訳する箇所を減らすことでコスト削減を実現しています。

また、過去の案件を精査して用語集を作成し、用語・表現の統一をおこなうなど、トップレベルの翻訳テクノロジーを活用できるエンジニアが翻訳業務をバックアップしながら、企業の海外出願を支援しています。

サン・フレア独自の翻訳フローについて

国際競争の中で生き抜くために市場を広げたい企業にとって、いかに効率よく外国出願するかは重要な課題です。外国での出願をご検討の際には、ぜひ、サン・フレアにご相談ください。

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