昨今、世界中でゲームの需要が大きく高まっています。各国で制作されたゲームコンテンツが国内でヒットする大事な要素として、ゲームのローカライズが挙げられます。中でも、最もユーザーの関心を引きやすいキャラクターの音声吹替のクオリティは、コンテンツ自体のローカライズと同様に高いレベルが求められます。その質はユーザーの心に響くかどうかの重要な指針となり、ゲームタイトルの人気を左右するといえるでしょう。今回は、ヒットのカギを握るゲームコンテンツの音声収録についてご紹介します。
ゲームの音声収録とは?
そもそも、ゲームの音声収録とはどのような内容なのでしょうか。ここではアニメ作品の音声収録との違いや、ゲームの音声で求められる内容などを見ていきましょう。
アニメとゲームの、音声収録の違いとは?
アニメの音声収録においては、マイクが数本置いてあり、声優が入れ替わりつつ、キャラクターの口の動きに合わせて映像を見ながら声をあてていくことが一般的です。これをリップシンクといいます。収録時間は、アニメの1話に対しておおよそ数時間となります。対してゲームの音声収録においては、1本のマイクを使い、キャラクター毎の収録となることが一般的です。セリフの数もアニメに比べて多く、主人公を含むメインキャラクターの音声収録は、数回に分けておこないます。また、ゲームの開発中に収録されることもあるため、映像や絵がないまま収録するケースも発生します。
「ナレーター」と「声優」、ゲームの音声収録をおこなうのは?
ナレーターは、様々な番組や映像、CMなどといったメディアで、情報や文脈を声や話し方の工夫によって伝えるプロフェッショナルです。一方声優はアニメやゲーム、映画といった作品において、声だけでキャラクターの感情や性格、特徴などを生み出して表現します。ナレーターと声優には重なる部分もありますが、ゲームコンテンツにおいてはキャラクターを演じる高度な演技力を必要とするため、声優がゲームの音声を担当することが多いといえます。
ゲームの音声収録で、声優に求められることは?
ゲームの世界観は非常に作り込まれたものが多いですが、キャラクターの設定に関しては、アニメほど詳細ではないケースもあります。ただ、オリジナルストーリーのRPGは詳細な設定がされていたり、アニメのIPを使用したゲームコンテンツに関しては、そのアニメと同様のキャラクター設定がされています。また、ゲームの音声収録は声優1人でおこなうことが一般的ですが、他のキャラクターと対話しているような内容から掛け声、必殺技名、回想など、様々なタイプのセリフを発声する必要があります。そのような状況の中でも、いかにそのキャラクターの個性を理解して演じられるか、という能力が必須といえるでしょう。また、1人の声優が複数のキャラクターを担当することも多いため、演じられる声の種類が豊かであることも大切です。一般的に、日本において声優の仕事をするためには、専門学校や声優養成所に通って学び、さらにオーディションに合格するか、クライアントから指名を受ける必要があります。ゲームの音声収録を含む声優の仕事には、高い創造力や演技力、確かな技術とセンスが備わっていることが求められるのです。
マーケティングを意識したキャスティングとは?
日本には、声優のシーン、または声優個人に対する巨大なファンベースが存在します。特に昨今の声優は高い実力や圧倒的なカリスマ性を兼ね備えながら、歌・アイドル・俳優・モデル・音楽活動などといったマルチな才能を発揮する人も多く、声優に対する注目度はますます上昇しています。そのため、日本においてゲームをヒットさせるためには、日本の文化として、有名な声優の起用が重要なマーケティング要素の一つとなります。海外ゲームに関しても、日本語のローカライズ音声収録で各キャラクターに豪華声優陣を起用したために話題となり、その後のヒットにつながるケースも増加しています。
実際の音声収録時に、用意しておくべきものは?
上記のようなことを踏まえながら、キャスティングや収録などをすべて自社でおこなうのは大きな時間と労力がかかります。そこで、専門の会社に音声収録を依頼した場合、どのような資料や情報が必要となるのでしょうか。ここでは、その内容についてご紹介します。
必要な資料をそろえておく
日本におけるゲームの音声収録は、音響監督が声優のアサインからすべてのディレクションをおこないます。収録前の準備として、キャラクターの数やそれぞれの個性、相関図などを確認するための、ゲームの仕様書や企画書が必要となります。さらに声優の兼ね役の有無や声優の想定人数に関しても、事前に把握することが求められます。さらに、エモートと呼ばれる、ゲーム内のキャラクターが挨拶や感情表現をする際に発するセリフや、さらに台本には記されていないアドリブリアクションのセリフなど、セリフの種類についても確認が必要です。
収録形態を決めておく
収録形態として、音声を録り続ける尺無しにするか、もしくは英語の音声の波形に合わせて吹き替える波形収録にするかを決める必要があります。波形収録を選ぶ場合、音声を映像の口の動きに合わせるために波形と完全に一致させるサウンドシンク、または吹き替えるキャラクターの口の動きに可能な限り合わせるリップシンクという手法を用いることがあります。また、映像や原音に合わせて収録する、シネマティック収録の有無についても明確にしておくとよいでしょう。
スタジオに関する内容をまとめておく
実際に音声収録をおこなうのはスタジオです。指定のスタジオがある場合はその情報を、スタジオの手配なども依頼したい場合はその旨を、収録を依頼している会社に事前に伝えておくとよいでしょう。またスタッフによる立ち合いが必要かどうか、必要であれば現場での立ち合いかオンラインでのやりとりとなるのか、といった情報についてもまとめておくと、スムーズな収録の進行につながります。
サン・フレアは、豊富なゲーム音声収録の実績があります。
サン・フレアには、あらゆる年齢・性別のキャラクターからモンスターまで、様々なキャラクターにマッチする声優のキャスティングが可能です。声優のキャスティング、ブッキングから収録スタジオの手配まで、音声収録に必要な一連の流れをワンストップでご依頼いただくことができます。さらに、ご要望に応じて、ゲームのスクリプト翻訳をおこなったリンギストを収録現場へ立ち合う手配も、ご要望に応じておこなっています。
ゲームの音声収録は、サン・フレアへお任せください!
日本においてゲームの音声は、作品の人気に大きな影響を与える重要なマーケティング要素です。サン・フレアでは、海外から日本へのローカライズとセットで音声収録をご依頼いただくことはもちろん、音声収録のみのご対応も可能です。ゲーム作品の音声に関することでご検討中の方は、ぜひお気軽にサン・フレアへお問い合わせください。