グローバル化によって翻訳の必要性が高まり、外部への翻訳依頼を検討する方が増えています。この記事では、翻訳を依頼する方法や選び方、発注の前に準備したいもの、発注~納品までの流れ、費用相場などについて、わかりやすくご紹介します。
なぜ翻訳依頼をするケースが増えている?
インターネットの普及とともにグローバル化が急加速し、今や小さな企業や個人でもグローバルビジネスを展開できる世の中になりました。しかしグローバルビジネスには言語という障壁が立ちはだかるため、翻訳のニーズが右肩上がりに高まっています。
ビジネスシーンでは契約書など書類のやり取りが多いほか、商品・サービスのカタログやマニュアル(説明書)、プレスリリース、プレゼンテーション用の資料、ウェブサイトの文章など、翻訳が必要な文書は多岐にわたります。その数と文量は膨大で、外国語に堪能な社員や外国人のスタッフを動員しても、なかなか処理が追いつきません。また、ビジネス関連の文書の翻訳では、ネイティブが読んでも違和感のないクオリティと正確さが求められます。このような理由から、外部の専門家への翻訳依頼が増えているのです。
無料翻訳ソフトは使えない?個人での翻訳依頼は?
翻訳ニーズの高まりを受け、近年は無料で使える翻訳ソフトや翻訳アプリも普及してきました。AIの活用によって精度も上がり、システム上でかなり正確な翻訳ができるようになっていますが、機械翻訳は文脈を踏まえた翻訳精度にまだ課題が残されているので、頼りすぎるのはハイリスクです。
特にビジネスに関わる文書は重要性の高いものが多く、少しの誤訳や曖昧な表現が大きなトラブルに繋がってしまいます。また、ネイティブの人々が違和感を抱くような訳文では、商品やサービス・企業に対する信頼が根底から揺らいでしまうこともあるでしょう。相手方から来た短いメールや文書を読むときに活用する程度なら問題ありませんが、重要な書類の翻訳はコストがかかっても専門家に依頼したほうが無難と言えます。
ただし、翻訳会社は法人に限って取引をしているところも少なくないため、個人で依頼したい方はまず問い合わせてみましょう。オンラインの翻訳サービスは、個人利用も可能なことが多いです。
翻訳依頼の方法は主に3つ
翻訳依頼にはいくつかの方法があります。それぞれにメリット・デメリットがあるので、翻訳する文書の内容や、求めるクオリティなどを総合的に考えて選択し、上手く使い分けると良いでしょう。ここでは翻訳依頼の主な方法を3つ挙げ、詳細と特徴をご紹介します。
翻訳会社に依頼する
クオリティを求めるのであれば、翻訳会社への依頼が安心です。翻訳会社にもよりますが、専門的な分野に対応できる、校閲・校正の体制が整っているなどのメリットがあります。
各国・各地域の文化や生活習慣に精通した翻訳者が対応している会社であれば、さらに安心。一般常識や宗教的背景はもちろん、“わかりやすさ”の基準も国や地域によって異なるため、より高品質で伝わりやすい翻訳には“ローカライズ”が欠かせないからです。
無料アプリや機械翻訳サービスよりもコストと納期を要する点がデメリットですが、翻訳会社の選択に失敗しない限り、コストと時間に見合うクオリティは担保されます。ただし、翻訳会社は対法人を基本としていることが多いので、個人で翻訳依頼したい場合はまず問い合わせをしてみましょう。
オンライン上で完結する翻訳サービスを利用する
見積りや発注までのやり取り、納品・決済まで、すべてオンライン上で行える翻訳サービスで、多くの場合は個人・法人を問わず翻訳依頼が可能。AI翻訳など精度の高い機械翻訳をベースに、プロの翻訳者やネイティブによるチェックが加わるパターンもあります。価格は言語の種類や人の手がどれくらい入るかなどによって変動しますが、翻訳会社に依頼するよりは安価です。納期が早く、オンライン上で完結する手軽さもメリットと言えるでしょう。
注意したいのは品質の部分。誰でも使える無料の翻訳ソフトや翻訳アプリよりは質の高い翻訳が可能ですが、やはり翻訳会社のクオリティには劣るため、社外向けの書類に使うのには不安が残ります。社内向けの文書で品質にこだわる必要がない、外国語の資料やウェブサイトの概要だけ確認したいなど、コストを抑えて簡易的な翻訳をしたいときには便利です。
クラウド型マッチングサービスを利用する
クラウドソーシングのように依頼者と翻訳者を繋いでくれる仕組みで、「クラウド翻訳」とも呼ばれています。翻訳者個人との契約である、登録している翻訳者の間で競争があるなどの理由から、人の手による翻訳(人間翻訳)のなかではコストを抑えやすいです。また、文量が少なくても依頼しやすいというメリットもあります。
デメリットとしては、翻訳者のレベルによって品質に差が出る、専門分野に対応できる翻訳者が見つかりにくいなどが挙げられます。翻訳者が単独で対応しているケースでは、複数の目による校正・校閲の体制や、専門家・ネイティブによるチェックの工程がないため、誤訳や誤植が残りやすい点も懸念材料です。良い翻訳者に出会うことができれば、翻訳依頼の有力な選択肢になるでしょう。
翻訳会社に翻訳依頼をしよう!
翻訳依頼にはさまざまな方法がありますが、品質を重視したい場合にもっとも信頼できるのは翻訳会社です。特にビジネスシーンにおいては、「正確に」「わかりやすく」伝わることが、商品・サービスの売り上げや企業の信頼にも直結するため、訳文のクオリティに妥協はできません。そこで、翻訳会社への翻訳依頼を検討している方に向けて、実際に依頼するときの手順や準備のポイント、依頼から納品までの大まかな流れを解説していきます。
事前に準備するものは?
翻訳の品質を高めるためには、実力と実績のある翻訳会社に依頼することが大前提ですが、「翻訳依頼に向けた準備」も重要です。たとえば日本語の文書作成を外注するときには、より良い原稿に仕上げてもらうために、内容に関わる資料を渡す、文体のトーン&マナーや統一表記を書き手に伝えるなど、依頼主がさまざまな準備をするでしょう。これは翻訳の場合も同じで、希望する仕上がりや方向性をしっかり伝えておくことが、訳文のクオリティを高めます。
翻訳会社に翻訳依頼をする際には、参考資料、サンプル原稿、スタイルガイド、用語集などを準備して、見積り後の打ち合わせの段階で翻訳会社に渡しましょう。文書全体のテイストを決めるために、読み手やターゲットに関する情報なども伝えておくと尚良いです。
翻訳依頼~納品までの流れ
翻訳会社への翻訳依頼は、問い合わせから始まります。ホームページに問い合わせフォームや見積りフォームがある場合がほとんどです。具体的な内容を伝えて料金が確定し、実際に発注することが決まったら、詳しい打ち合わせに入っていきます。ここまでの過程で、参考資料やサンプル原稿、スタイルガイド用語集などを渡し、希望する文体や方向性といった翻訳に必要な情報をしっかりと伝えましょう。
その後は翻訳会社のほうで、指示書の作成、翻訳者の選定、システムの準備、スケジューリングなどが行われ、翻訳作業へと移っていきます。初稿が完成したら校閲・校正を行い、図表や写真などがあれば編集作業も経て、整理されたデータが納品されます。
上記が基本的な流れになりますが、納期などの希望に合わせて柔軟な対応も可能です。納期・コスト・品質のバランスを考え、翻訳会社と相談しながら詳細を詰めていきましょう。
費用の相場は?信頼できる翻訳会社を見つけるコツ
翻訳会社の料金は多くの場合、外国語から日本語に翻訳するときは外国語1ワードあたりの単価、日本語から外国語に翻訳するときは日本語1文字あたりの単価から算出されます。また、単価は必ずしも一定ではなく、少数言語、難易度や重要度の高い書類、専門性の高い分野(医療分野の翻訳など)では高額に設定されていることが多いです。
もちろん単価の設定は翻訳会社ごとに異なり、「同じ内容で見積りを取ったにも関わらず価格が大幅に違った」というケースもあるでしょう。ただし、このときに注視したいのは翻訳の業務フローの中身です。校正・校閲、専門家によるチェック体制など、手厚いフォローがあるほど価格が上がる傾向にあるため、「適正価格かどうか」を冷静に判断する必要があります。実績、対応言語、専門分野への対応力などを総合的に見て、信頼できる翻訳会社に発注しましょう。
翻訳依頼は実績豊富なサン・フレアへ
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