世界中でゲームの需要が高まっている昨今、クオリティの高いゲームローカライズは、タイトルのヒットには欠かせない要素です。ゲームローカライズを成功させるためには、ツボを押さえた適切な翻訳は外せません。ここではその翻訳の有効な依頼方法についてご紹介します。
ゲームローカライズにはどんな依頼先がある?
翻訳の依頼方法にはいくつかありますが、大まかに分けると、個人のフリーランスの翻訳者に依頼する、あるいは翻訳会社に依頼する、という2通りの選択肢があります。今回はその2つに焦点を当て、それぞれの特徴や違いについて詳しく見ていきましょう。
ゲームローカライズにおいて、特に小規模なタイトルの場合、そのタイトル・IPの愛好家(ファン)が翻訳を担当することもあります。一方、ゲームローカライズ・翻訳を専門とする翻訳会社も多数存在しています。ここからは、ゲームローカライズを成功させるための翻訳の依頼先にはどのようなものがあるのかご説明します。
個人のフリーランスの翻訳者を募集する
1つ目の依頼先としては、フリーランスの翻訳者が挙げられるでしょう。自社のHP、あるいは求人サイト、SNSなどを活用して、フリーランスの翻訳者や有志の翻訳者を募集して翻訳を依頼することもあるようです。この場合、時間をかけてじっくりと翻訳者を探せることが特徴です。有志で募った翻訳者の場合は、シリーズ物であればそのタイトルの愛好家(ファン)であったり、完全新規タイトルであれば、ゲームに対する造詣の深い人など、タイトルに合わせて自社で翻訳者を選ぶことができるでしょう。フリーランスや有志の翻訳者が翻訳をおこなうため、コストの削減につながる場合が多いです。
オンライン翻訳サービスを利用する
次に、翻訳を依頼する先としてオンライン翻訳サービスもあります。例えば、ゲームの翻訳会社としても知られるAlconost社が提供する“Nitro”や、大手翻訳会社であるライオンブリッジジャパン株式会社を親会社とする、株式会社Gengoが提供する“Gengo”などがあります。オンライン上で直接翻訳者に依頼ができるため、翻訳者を自分で探す手間がかからないことや、翻訳サービスによっては24時間対応も可能など、スピードの速さも魅力の1つといえるでしょう。料金に関しては文字単価で計算することが一般的です。
翻訳会社を利用する
翻訳を外注する場合、まず翻訳会社を利用することが思い浮かぶ方も多いのではないでしょうか。個人のフリーランスの翻訳者への依頼と比べるとコストが高くなる可能性がありますが、その分、プロジェクト管理を依頼できたり、セキュリティ面も徹底していたりと、手厚いサービスが受けられます。一般的に、翻訳会社は様々な業種や分野の翻訳に対応しており、取り扱う言語も多いです。翻訳者をはじめとする人的リソースを多数保有しており、ジャンルや言語に合わせた翻訳者をアサインできることも大きなメリットといえるでしょう。
ゲームローカライズを得意とする翻訳会社もある
翻訳会社の中には、ゲームローカライズを得意とする翻訳会社も複数存在します。そういった会社では、プロジェクトマネージャー(PM)を中心にゲームに関する専門知識を持つ翻訳者らによって翻訳されるため、より効率的かつ高品質なローカライズを実現できます。また翻訳会社によっては、インゲームテキスト以外の利用規約やプライバシーポリシーなどの専門的な文書や、プロモーション動画を翻訳できる会社もあるため、ゲーム以外の文書も翻訳する必要がある場合は、まとめて依頼することも可能で便利です。
ゲームローカライズの依頼先、それぞれの特徴は?
個人のフリーランスの翻訳者への依頼と、翻訳会社への依頼、それぞれどのような違いや特徴があるのでしょうか。ここでは、さらにその内容について深く掘り下げます。
フリーランスの翻訳者への依頼の特徴
フリーランスの翻訳者への依頼は多くの場合、翻訳後のチェック・校正といった複数名によるチェック工程が無く、翻訳者個人の実力にのみ依存するため、翻訳会社への依頼と比べてコストが安くなる傾向にあります。コミュニケーションは企業と個人間で直接おこなう形となり、自分の思い描く形やイメージを細かく伝えやすいことが特徴とも言えるでしょう。翻訳者から納品された訳文が気に入った場合は、その後も継続してその人に翻訳を依頼することも可能です。
納期に余裕があったり、テキストが少なめのタイトルであったりすれば、細かなやり取りができる個人翻訳者への依頼も非常に有効です。一方で、翻訳者を募集し、応募者の能力評価を自らおこないつつ、タイトルの世界観に合った翻訳者を見つけるには多くの時間を要します。また、多言語へのローカライズであれば、対象言語数分の翻訳者を見つけなければなりません。翻訳者が無事に見つかった後も、各個人への料金設定の交渉やスケジュール・プロジェクト管理、翻訳後のLQAの対応なども自ら進めていく必要があります。さらにゲームの特性として、テキストの量が数万字規模の開発タイトルや、毎月の更新があるタイトルも多く見られます。そういったケースでは、ボリュームや納期の面で個人では限界があり、対応が難しい場合が多いため、各翻訳者の管理を自社でおこなえるのか注意が必要です。
翻訳会社への依頼の特徴
翻訳会社に依頼する場合では、徹底した品質担保のため、翻訳以外にもチェック・校正といった工程が入る場合が多く見られます。そのため、フリーランスの翻訳者への依頼と比べると、ややコストが高くなる傾向があります。
しかし、翻訳会社側は、事前に翻訳者の能力評価をおこなっており、そのコストはクライアント側に請求されることはありません。厳しいテストをクリアした専門スキルを持つ者が翻訳するため、高品質な仕上がりを見込むことができます。また翻訳会社は、過去の複数のプロジェクトを通し、より効率的に、より高品質に翻訳できるノウハウを蓄積しています。そのノウハウを駆使しながら、翻訳後のネイティブチェックや校正といったチェック工程を組み合わせることで、誤訳などの致命的なミスを防ぎ、より自然で美しい訳文にブラッシュアップされた状態に仕上げます。テキスト量や翻訳作業をする人数が多い場合は、ツールや翻訳メモリなどのITテクノロジーを適宜使用しながら、納期対応を徹底する対応力の高さなども含め、コストメリットが非常に高くなっていきます。
翻訳会社の具体的な選び方や、翻訳会社に依頼する利点については。「マンガでわかる 翻訳発注で失敗したくないときに読むガイド」内で詳細に記載されていますので、併せてぜひお読みください。
実際に翻訳会社に依頼するには?
では、実際にゲームローカライズを翻訳会社に依頼する場合、どのような流れになるのでしょうか。まずは依頼前に、以下のような資料を準備しておくとよいでしょう。
・仕様書や企画書などの参考資料
・キャラクターの相関図
・スタイルガイド
最初の見積り、あるいは発注前の交渉段階でこうした資料が揃っていると、予算や納期に関する相談もしやすくなるうえ、翻訳に取り掛かる際も、より円滑にスタートすることができます。正式に翻訳を依頼した後は、翻訳会社が細かく翻訳者の選定やスケジュール設定などをおこないます。ゲームのストーリーや世界観などを理解するためのファミリアライズや、インゲームテキストの翻訳を適宜進め、要望に応じてLQAなどを実施し、最終的な成果物を納品します。
これが一般的な流れとなりますが、場合によっては用語集やスタイルガイドの作成を翻訳会社が担当するなど、スケジュールや内容に応じて柔軟な対応が可能です。
ゲームローカライズはサン・フレアへ
ゲームローカライズは一般的にテキスト量が多く、翻訳には経験やセンス、ストーリーの理解力を必要とします。該当するタイトルやIPについて、豊富な知識と理解がある翻訳者と出会うことができれば、深く世界観を反映した翻訳が期待できます。しかし、翻訳者をゼロから探すのはなかなか難しいもの。時間に余裕がなかったり、翻訳対象のテキスト量が多かったりした場合は、翻訳会社の利用がおすすめです。サン・フレアでは、ゲーム分野のトライアルを通過した経験豊富な翻訳者が翻訳をおこなうほか、翻訳後には複数のチェック工程があるため、安心してご依頼いただけます。また、対応言語は90言語以上あり、多言語翻訳も可能です。Webサイトや動画など、タイトルのプロモーションツールの制作・翻訳もおこなっています。ゲームローカライズやゲーム翻訳をご検討中の方は、お気軽にサン・フレアへお問い合わせください。
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概要 ゲーム業界向けに提供したソリューションを、ご利用いただいたお客様のインタビュー付き事例として複数社ご紹介いたします。 目次 1.戦国時代を舞台としたゲームをローカライズ 2.謎解き絵本アプリを3言語にローカライズ 3.ゲームプログラミングのソフトをローカライズ |