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IR翻訳・英文開示におけるIR担当者の必須知識

目次

  1. 英文開示の意義
  2. 英文開示で正確な翻訳が求められるわけ
  3. 財務翻訳で確認すべきポイント
  4. チェック業務の負担を減らす工夫
  5. 翻訳サービスを依頼する際の確認ポイント

IR資料の英文開示の重要度が増す中、財務翻訳における誤訳や訳漏れは、自社に対する海外投資家の信頼を著しく損なう致命的なミスとなる恐れがあります。財務翻訳を外部企業に委託する場合であっても、こうしたミスを防ぐためにはIR担当者が一定程度の知識を有している必要があります。本記事ではその内容を詳しく説明します。

英文開示の意義

日本の株式市場においては、海外投資家が売買金額の約7割を占めています。IR資料の英文開示は、海外投資家の関心をつなぎとめることや、自社の魅力を伝えるためにも必要不可欠なものとなり、上場企業における英文開示の実施率は年々高まっています。
また、金融庁が東京証券取引所とともに「コーポレートガバナンスコード」(企業投資指針)を改訂し、プライム市場の上場企業に対しては特に英語での情報開示を強く求めていることも背景にあります。

英文開示実施率が年々増加

東京証券取引所が2023年1月に公表したレポートによれば、以下の通り英文開示実施率は年々高まっている傾向にあります。

<英文開示実施率の推移>

時期 全市場 プライム市場
2022年12月 60.4% 97.1%
2021年12月 52.8% 85.8%
2020年12月 49.2% 79.7%
出典:東京証券取引所

資料ごとの実施率と前年比は?

2022年12月時点で最も英文開示率が高いのは「決算短信」で、前年同月の67.8%から88.8%と急激に比率が高くなっています。続いて「招集通知(通知本文・参考書類)」が87.4%、「IR説明会資料」が67.1%となっています。
そのほか、適時開示資料やCG報告書、有価証券報告書などの英文開示率も、軒並み前年と比べると高くなっています。

英文開示で正確な翻訳が求められるわけ

英文開示で誤訳や訳漏れがあると、その企業に対する信頼や企業イメージに少なからず悪影響が出てしまうのは必至で、結果として株価の下落につながるリスクを抱え込んでしまうことになります。

財務翻訳で確認すべきポイント

自社でIR資料の財務翻訳を行う場合でも、外部の翻訳サービスを利用する場合でも、開示資料に対する最終責任を負うのはIR担当者です。そのIR担当者が財務翻訳で特に確認すべきポイントを、実例を挙げながら解説します。

数値・プラス・マイナス表記・単位表記

元原稿と翻訳原稿においては数値の不一致のほか、プラス・マイナス表記の逆記載や単位表記の揺れなどにも注意する必要があります。例えば単位表記では、7,800千円を「7,800 thousand yen」と書くべきか「7.8 million yen」と書くべきか、その資料内においてはもちろん、過去のIR資料の財務翻訳とも一致させる必要があります。

期間表記

期間表記の翻訳箇所の注意が必要です。例えば「nine months ended December 31, 2021」と「third quarter of the fiscal year ended March 31, 2022」を比較してみましょう。前者は「累計期間」を示しているのに対し、後者は「会計期間」を示しています。

増減表記

増減表記にも気を配る必要があります。例えば「営業キャッシュフローが1,000万円増加しました」という文章の場合、「流入」の増加が要因なのか、「流出」の減少が要因なのかによって、翻訳文章中で「〜provided by operating activities〜」とするのか、「〜used in operating activities〜」とするのかが変わってきます。

単語の統一

特定単語の表記の揺れは、洗練されたイメージにつながりません。例えば、株式は「stock」か「share」、関連会社は「associate」か「affiliate」、特別な事情がない限りはどちらかに統一すべきです。

誤訳や訳抜け

「誤訳」や「訳抜け」といったミスにも注意すべきです。特に訳抜けは、一見すると意味が通る英文になっている場合があり、見過ごされがちであるため注意が必要です。

チェック業務の負担を減らす工夫

誤訳や翻訳の揺れ、訳抜けのチェックはIR担当者にとっては必須の業務ですが、チェック業務の負担を減らすために工夫をすることも同時に重要です。

スタイルガイドを社内で共有する

事前にスタイルガイドを作成・共有することで、翻訳を始める段階から使用すべき英単語・英語表現を統一でき、修正が必要な箇所が減ります。また校正担当者もスタイルガイドがあれば、チェック漏れや修正ミスを防ぎやすくなります。

翻訳会社への依頼の際に過去の翻訳ドキュメントを共有する

外部の翻訳サービスを利用する際は、前述のスタイルガイドのほか、過去に英文開示したIR資料の日本語版と英語版を両方とも共有することが推奨されます。このことにより、使用単語の統一化が促されます。
具体例を挙げて説明しますと、「売上高」を示す英語としては「Revenue」や「Net Sales」があり、どちらも誤りではありませんが、過去のIR資料で常用的に使用している英語をその後の財務翻訳でも選択するべきです。

翻訳サービスを依頼する際の確認ポイント

IR資料の英文開示では公開までの時間的なリミットがあるため、スピーディーに高い品質の財務翻訳を完成させる視点が重要です。そのため、財務翻訳を外部の企業に委託する際、次に説明する4つの点を満たしているか、確認することが重要です。

過去版との用語・表現の統一が可能か

過去の財務翻訳を共有した場合、過去版に合わせて使用する用語や表現を統一してくれるか確認するようにしましょう。

スピーディーに納品が可能か

適時開示を行うIR資料によっては、短期間でスピーディーな納品に対応できるかも、非常に重要な要素となってきます。

海外投資家に「伝わる英語」で翻訳が可能か

財務翻訳では「正確さ」は大前提のことですが、さらには海外投資家に「伝わる英語」でなければなりません。こうした面でも強みがあるか、確認するべきです。

クロスチェックの体制が万全か

ネイティブチェックと特定分野に強い専門チェッカーなどによるクロスチェック体制が万全か、確認するようにしましょう。

財務翻訳はサン・フレアへ

英文開示におけるミスは自社の信頼や株価に大きなダメージを与えかねないため、IR資料の財務翻訳に強みがある翻訳会社に委託することが、成功のポイントと言えます。
サン・フレアでは、過去版との用語の統一はもちろん、スピーディーな納品やレスポンスの早さなどに強みがあります。長年にわたって翻訳会社としての実績を積み重ね、財務翻訳においてもお客様から高い信頼を得ております
IR資料の財務翻訳の委託先を探しているのであれば、ぜひサン・フレアをご利用ください。

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