日本企業が発信するIRは、残念ながら英文開示があまり進んでいない現状にあります。なぜでしょうか。ここでは、IRの英文開示問題をピックアップしながら、IRの英文開示にあたってプロの翻訳に依頼するメリットを解説していきます。
日本企業が発信するIRの英文開示の現状
東証が海外投資家へ英文開示に関するアンケートをおこなったところ、「約6割が日英の情報量の違いや開示タイミングなどに不満」という結果が出ています。
投資担当の8割超が決算短信・IR説明会資料・適時開示資料・有価証券報告書の英文開示を「必須」または「必要」と答えています。機関投資家の投資担当であると、リアルタイムでの投資判断に英文開示資料が必要で、優先的に必要性の高い資料として、決算短信・IR説明会資料・適時開示資料・アニュアルレポート・有価証券報告書などが並びます。
IR説明会資料・アニュアルレポート・有価証券報告書については、日本語が読めるスタッフがいない場合には機械翻訳も困難となる厳しい現状です。
IRの翻訳が重要な理由
日本企業の発展のためにも、世界に向けてIRの英文開示で正しい情報を発信することは必要かつ必須です。株主や投資家にとっても利益の配当という現実問題に直結しますから、正しいIR情報を伝えることは、IRを翻訳する上での重要な使命となります。
IRの翻訳で危惧されることは、内容が誤って伝わったり、情報漏れがあったり、開示が遅れたりなどのトラブルです。もし、IR情報を正しく発信できなければ、企業の信用にかかわる大問題となってしまいます。
株主や投資家の判断材料になるから
企業の経営状態や将来性を見ながら投資をするのが株主や投資家です。株主や投資家の判断材料になる情報源の一つがIRになります。情報源としては株価チャート・四季報・投資専門雑誌などがありますが、企業が直接発信する情報としてのIRは、信頼度や注目度の点で別格です。IRの情報を正しく翻訳することが最も求められているポイントはここにあるでしょう。
IRが適切に翻訳されることによって得られるベネフィットは大きく、企業からすれば“数多く存在する企業の中から株主や投資家に選ばれること”、株主や投資家からすれば“投資に値する企業であること”です。経営状態がガラス張りになることでお互いの目的が共有され、良い結果につながりやすくなります。
海外株主や投資家にも影響を及ぼすから
IRの翻訳による英文開示で企業の正しい情報を伝えることは、海外の株主や投資家にも企業活動を知らせることになり、ビジネスチャンスも作り出すことになります。企業の株主や投資家は日本国内だけにとどまらないため、IRの翻訳による英文開示の影響は大きいといえるでしょう。
昨今では、IRだけでなく、ESG(環境:Environment、社会:Social、企業統治:Corporate Governance)の取り組みに投資をする動きが世界的に活発化しています。ただ、ESGのメッセージは、IRに比べて開示基準を統一できないことが問題です。英文開示において基準の整合性は難しいですが、翻訳の力がなければ何も始まらないのは事実でしょう。
高い専門性を必要とされるから
翻訳というと、「意味が通じればそれで良いのでは?」「翻訳は誰が訳しても一緒」と思うかもしれませんが、IRやESGなど、日本語においても難しい専門用語が出てくる翻訳には、高い専門性が必要とされます。もし、誤訳やあやふやな翻訳になった場合、“IRの質=企業の質”だと捉えられかねません。一般的な翻訳の知識や経験だけでは成り立たないでしょう。
経営指標などについて深く知り、投資判断や資本構成も理解しておく必要があります。総合的な知識を持った上で、株主や投資家がつかみ取りたい情報と、企業が株主や投資家に伝えたい情報を心得、読み解きながら翻訳する高度なテクニックは不可欠です。IRの翻訳は、一朝一夕にはできない仕事といえるでしょう。
IRの翻訳をプロに依頼するメリット
IRの翻訳をプロに依頼するメリットは、機械翻訳と比べ、翻訳力の差が歴然としている点です。なぜ、これほど差がつくのか述べていきます。
IR分野に特化した人材が在籍
“専門的な知識に加え、株主や投資家に正確な情報を細かなニュアンスで十分に伝える表現力”。IRの翻訳者にはなくてはならない要素です。機械翻訳では難しいでしょう。翻訳会社に在籍している翻訳者の中でも、IRに特化した翻訳者は少数精鋭で、かなり貴重な存在となります。
これほどまでにIR分野に特化した人材が翻訳をサポートするのですから、納品されたIRの翻訳資料は、株主や投資家の目に留まり、理解しやすいのは言うまでもないでしょう。株主や投資家の期待に応え、企業を魅力的な投資対象に導きたいのなら、IR分野に特化した人材に依頼することは、とても理にかなっていることになります。
スピードと専門性を兼ね備えている
上場企業には、四半期決算のタイムリーなIRの英文開示がより求められ、中小企業においても同レベルの期待が高まっています。それにもかかわらず、IRの情報は期日が迫らないと揃わないことも多く、あわただしく公開期日に間に合わせなければならないことは常です。それでも、万が一のミスも許されないのがIRの翻訳になります。スピードと専門性の両方がかみ合い、完璧な内容に仕上げることがプロとしての仕事です。
IRに関する深い知識に加え、世界情勢や経済、法律、ESGなどにも知見を持っていることが、IRの翻訳の条件として求められます。機械翻訳では、なかなか対応できない要素でしょう。
セキュリティが万全
株主や投資家へ情報を開示するIRの役割は、年々、重要度を増しています。組織全体で情報資産を守り、維持していく体制づくりがしっかりおこなわれている翻訳会社であれば、セキュリティマネジメントは万全でしょう。
機械翻訳では、情報資産を守るというセキュリティレベルではなく、どうしても使用すること自体に不安がつきまとうものです。
IR情報は、招集通知、株主議会議事録、有価証券報告書などの法定開示文書、ニュースレター、事業報告書など多岐にわたり、企業の根幹を表す数字が並ぶ機密情報だけに、公開前の情報漏洩など、万が一のトラブルも出さない保守管理も、IRの翻訳では重要な工程の一つになります。
最適なIRの翻訳会社を選ぶ時のポイント
難易度が高いIRの翻訳ですが、最適なIRの翻訳会社選びのポイントを5つ挙げてみましょう。
①どのような業種・業態の企業のIRにも、対応できる人材が在籍
②過去データ(翻訳資産)の蓄積が可能で、翻訳の質を落とさない一貫性のある対応が可能
③多言語対応可能で、スピーディな進行と納期が可能
④IRの翻訳の実績が豊富
⑤機密情報厳守が徹底された体制
IRの翻訳は依頼先選びが肝心です。多くの翻訳者を抱えている翻訳会社は数多くあっても、これだけの条件が揃う翻訳会社はそう多くないでしょう。IRの英文開示は企業が存続する限り、長く続くことになります。トラブルなく安心してリピートできる、信頼できるIRの翻訳会社を見つけることが重要です。
本当のプロが揃うIRの翻訳会社なら、サン・フレア
サン・フレアはIR翻訳のプロとして、本物のバリューをご提供します。世界90言語以上に対応し、ネイティブチェッカーにより、日本語の意図を違和感なく英文へブラッシュアップしていく体制は万全です。
また、情報セキュリティマネジメントシステム(ISO 27001)・品質マネジメントシステム (ISO 9001)・翻訳サービスの国際規格(ISO 17100)も取得し、厳重なセキュリティ環境と高品質な翻訳を平行して進める運用体制も整っています。ぜひ、お気軽にお問い合わせください。