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世の中のグローバル化と動画メディアの発展によって、様々な映像コンテンツのニーズが高まっています。多くの人に見てもらうコンテンツ作成のカギとなるのが、多言語展開です。本記事では、動画の多言語展開における重要な要素となる、字幕翻訳の基本部分についてご紹介します。
映像作品は多言語展開がメインストリームに
コロナ渦においてリモートワークが浸透し、セミナーなど、人々が集まるイベントの開催方式にも大きな変化がありました。それに伴い、時間や場所を問わずアクセスできるe-LearningやPR動画の需要が高まっています。海外の動画を日本向けにしたり、逆に日本で作成した動画を海外に向けて発信したりする場合、その国の言語で展開する必要があります。さらに、アップロードした動画の再生回数をより多くするためには、各国の言語で理解ができる状態にしておくことが望ましいでしょう。映像を多言語で展開する方法は、字幕・吹き替え・ボイスオーバーの3種類があります。今回は字幕翻訳に焦点を充て、そのルールやコツ、さらに効果的な作成方法などをご説明します。
「伝わる」字幕翻訳とは?
字幕の翻訳には、いくつかの基本的なルールと、伝わる字幕を作るためのコツがあります。このルールやコツを全く考慮せず字幕を作成してしまうと、読みづらさや、動画の内容の理解度低下につながってしまう恐れがあります。
字幕翻訳の基本
まずは、英→日の字幕翻訳における、基本的なルールをご紹介します。
1. 1秒に表示できる文字は4文字
2. 1行当たりの文字数は13文字(場合によって増減することもある)
3. 字幕1画面当たりの表示は2行まで
4. 字幕1画面当たりの表示時間は6.5秒まで
5. 句読点は使わず、代わりに半角スペース(、)と全角スペース(。)を使う
上記の基本的なルールは、人間が文字を読み、映像を理解できるよう考慮されたものです。他にも細かなルールはありますが、上記は必ず押さえておくべき基礎的な内容といえるでしょう。
字幕を入れる方法は2種類あります。1つ目は、MP4やMOVといった形式の動画に、始めから動画が見えている「焼き付け字幕」です。代表的な例は、映画の字幕です。そして2つ目は、字幕のON/OFFが選択できる「クローズドキャプション(CC)」です。一部の動画配信サービスや、テレビ放送でもこの方法が使われています。CCのファイルは、動画とは別に、SRTやVTT形式の字幕データを持っています。これらのデータはいずれも字幕の内容や番号などが含まれており、テキストエディタ、メモ帳アプリで編集可能です。
読みやすく簡潔な文章にする
ではここから、より「伝わる」字幕翻訳にするためのコツをお伝えします。字幕翻訳は上記のルールを踏まえ、「できるだけ読みやすく、少ない文字数で、原文の内容を正確に伝える」必要があります。そのためには、原文の情報を取捨選択し、どこを活かして、どこを削るかの判断力と、短い文章で伝わるよう、内容を簡潔にまとめる力を要します。さらに、言い回しや文節によっては誤解が生じそうな文章を避けたり、改行の位置を考慮したり、文章を区切る箇所を意識して読みやすくする、といった工夫も望まれます。言葉の省略や変換のテクニックも駆使しながら、視覚的にも分かりやすく、すんなり理解できるような内容に仕上げていくのです。
文化的な背景も考慮する
動画コンテンツの多言語展開においては、対象国の文化的な背景も考慮した字幕が必要です。例えばアメリカでは、商品名を物の固有名詞として使っているものが存在します。それを他の言語に翻訳する場合は、必要に応じてその国で通じる名詞に変換する必要があります。これは一例ですが、対象国に馴染みがない原文を、その国で通じる言葉に変換せずに訳してしまうと、視聴者に正しく意味が伝わらない可能性が生じるでしょう。「伝わる」字幕翻訳に求められるのは、動画のメッセージや世界観を正確に捉えつつ、文字数・行数・表示時間の調整などを意識して、対象国の国民性や習慣、価値観などを反映するという、幅広い知識と技術で、ローカライズとも言われます。
字幕翻訳で注意すべき点は?
では実際に字幕翻訳に取り掛かる際には、どんな点に注意しておけばよいのでしょうか。例えば映像には、トピックの遷移や説明、会話のやりとりなど、映像の流れがあります。それを汲むことなく逐語的に訳してしまうと、意味が通らなかったり、何について話しているのかが分からなくなってしまったりして、視聴者の混乱を招きかねないため、注意が必要です。また字幕翻訳では、1画面に表示される字幕のことを「1枚」と表しますが、原文が長くても字幕は1~2枚で正確に説明できるよう調整する必要があります。字幕が何枚にもまたがってしまうと、視聴者の混乱につながる可能性があるためです。他にも字幕表示のタイミングや読みやすさなどに配慮しながら、字幕を作成する必要があります。
効率的な字幕翻訳の方法は?
字幕翻訳は、自分で翻訳する以外にもクラウドソーシングサイトや自社サイトで翻訳者を募集する、翻訳会社に依頼する、といった方法があります。動画の多言語展開を計画している場合、自らおこなう字幕翻訳は対応言語が限られてしまう可能性があります。そのため、クラウドソーシングサイト等を利用する方法も視野に入れておくべきでしょう。より多くの言語に対応したい、効率的に字幕翻訳を進めたい、その国のことを熟知している専門家に頼みたいといった希望がある場合には、翻訳会社への依頼がおすすめです。
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20分でわかる!字幕翻訳の基礎
概要 動画字幕に関する基礎を学び、プロモーションにおける戦略的な活用方法について解説しています。 目次 ・字幕翻訳ニーズの高まり ・字幕翻訳で得られるメリット ・動画・字幕の基礎知識 ・日本語字幕の表記ルール ・ご依頼動画ランキング ・費用・スケジュールについて |
翻訳会社に依頼するメリットは?
字幕翻訳を翻訳会社に依頼した場合、どんなメリットがあるのでしょうか。まず、多言語展開における人材探しの時間と労力を短縮することができます。自分で各言語の翻訳者を探す場合は、翻訳の前段階である程度の時間を要するでしょう。また、翻訳会社に所属する翻訳者たちは、字幕翻訳におけるルールを熟知しています。文化的、歴史的背景やその国の情勢など、対象国に関する深い知識も有しているため、安心してコンテンツ制作を任せることができます。
サン・フレアの字幕翻訳は、どんなことができる?
長年、字幕翻訳制作に携わってきたサン・フレアは、全世界90以上の言語を取り扱っています。専門的な知識を持った6,000名以上の翻訳者を有し、あらゆる業種・業態の字幕翻訳をおこなっています。さらに翻訳文はネイティブによるブラッシュアップで、読みやすく自然な訳文をご提供します。また当社には字幕編集専門スタッフがおり、スピーディな編集作業も対応可能。動画の用途やスタイル、企業イメージに合わせたフォントを選別し、視覚的なPRにもつながる字幕を制作します。
字幕翻訳は信頼と実績のサン・フレアにお任せください!
本記事では、動画の多言語展開における字幕翻訳の基本や、効率的な作成方法などについてご紹介しました。メディアの数も増え、今後ますます需要が高まるであろう動画コンテンツ。世界中のより多くの人々に向けて発信するには、多言語展開が欠かせません。そして正確で分かりやすい字幕翻訳の制作には、専門的な技術とノウハウを必要とします。動画コンテンツの多言語展開について検討している場合は、ぜひお気軽にサン・フレアへお問い合わせください。当社では字幕翻訳だけでなく、動画への焼き付け編集までおこなっています。動画形式も多種多様なフォーマットに対応しており、字幕ファイル制作も可能。お客様が「すぐに使える字幕入り動画」として納品いたします。