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世界で大きな注目を集める「IPゲーム」。絶えず話題の中心となる『スーパーマリオブラザーズ』や『ポケットモンスター』、メディアミックス展開で絶大な支持を集める『ワンピース』など、日本から世界へ発信され、爆発的な人気があるIPは枚挙に暇がありません。本ブログでは、日本発のIPゲームが世界各国に浸透している背景や、IPゲームのグローバル展開におけるメリットについて解説します。またIPゲームのローカライズを多数手がけてきたサン・フレアによる、ローカライズ・翻訳時の注意点や工夫もご紹介。これからIPゲームのグローバル展開を考えている方は、ぜひ本ブログをご活用ください。
そもそも「IP」って?
「IP」とはIntellectual Propertyの略で、日本語に訳すと「知的財産」となります。エンタメ業界ではアニメ・ゲーム・漫画・小説などのコンテンツそのものや、その中に登場するキャラクター、ストーリーなどを指します。これを活用したビジネスが「IPビジネス」であり、日本のエンタメ作品はこのIPビジネスと非常に親和性が高いコンテンツとして広く知られています。
自社IP・他社IP・IPコラボとは
エンタメ業界でのIPビジネスにおいて、自社IP・他社IPという言葉を耳にする方も多いでしょう。
自社IPとは、その名の通り自社で創り出し、自社で権利を保有している知的財産のことです。例として任天堂の『スーパーマリオブラザーズ』やセガの『ソニック』、スクウェア・エニックスの『ファイナルファンタジー』、カプコンの『モンスターハンター』などが挙げられます。
一方他社IPとは、他社が保有している知的財産のことで、この他社IPを借りてビジネスを展開することを指す場合も多くあります。例としてワールドワイドな人気を誇る『ワンピース』や『NARUTO』、『進撃の巨人』などのIPを活用したゲームタイトルがそれにあたります。他社IPの活用にはライセンス契約が必要であり、費用もかかりますが、既に人気のあるコンテンツを活かして収益化できるというメリットがあります。
そしてIPコラボとは、自社・他社のIPを共同で活用し、コラボ商品やコンテンツなどを開発・販売して世に送り出すことを指します。毎月様々なキャラクターとコラボする『モンスターストライク』や『白猫プロジェクト』と『葬送のフリーレン』のコラボなどが例に挙げられます。単体のIPを活用するよりも、認知の拡大や話題性の創出につながりやすいことが特徴です。
世界を魅了する「IPゲーム」のポテンシャル
ゲーム市場において、この通りIPは欠かせない存在です。特に既存の人気IPを活用した他社IPゲームや、複数の作品・キャラクターが登場することにより、多くの層にアプローチできるコラボIPゲームのポテンシャルの大きさは計り知れません。ここからはIPゲームの強みや、グローバルな注目が集まる背景などについて具体的に解説していきます。
IPゲームの強みとは?
なぜIPゲームに関心が集まっているのでしょうか。その理由は大きく分けて、二つあります。
既存のファンの規模が大きい
一つ目の理由として、人気作品のIPには既存ファンがいることが挙げられます。作品の知名度によってタイトルが認知されるスピードが速いため、SNSでも話題の中心となりやすく、短期間で高いプロモーション効果が期待できます。さらに多くのファンを持つ作品やキャラクターは、ファンとの結びつきが強いケースが多く、タイトルへの信頼度も上がる傾向にあります。その分、既存ファンの期待値も上昇するため、確実な質の高さが求められます。
グローバル展開における強さ
二つ目の理由は、世界的な展開のしやすさです。例えば、一般的な動画配信プラットフォームのランキングにおいて、日本のアニメが他国の視聴数トップ10に入ることは少なくありません。また、日本から遠く離れた国で日本語が全くわからなくても、日本の作品のキャラクターは好き、という現地の人もいるでしょう。特にゲームタイトルのキャラクターは認知度が高く、例として、現地のファストフード店でのコラボレーションなども見られます。このように、日本のゲーム・漫画・アニメといったエンタメコンテンツは、世界中にファンが存在します。こうした状況においても、一から知名度を上げていく作品よりも、ある一定の知名度を持つIPを活用した作品のほうが、当然拡大もしやすくなります。また、日本のエンタメが各国で人気を誇る昨今、政府は「クールジャパン戦略」を掲げ、国を挙げて制作や海外展開の支援をおこなっています。例えば、国内での映像制作費用の補助や、コンテンツの海外展開に対する補助などの制度があります。さらに、その支援は今後拡充されるとの発表もありました。こうした理由もあり、人気アニメやキャラクター、漫画のIPゲームの成功事例が増えているのです。
IPゲームのローカライズで求められること
IPゲームの既存のファンの多さは大きなメリットとなりますが、その分、作品に対する期待度も高くなります。そのためローカライズのクォリティが伴っていないと、作品に対するファンからの信頼を大幅に失ってしまうことになりかねません。そこで求められるのは、原作のキャラクター性は当然のこと、そこに溢れる雰囲気も損なわない翻訳です。
さらに原作のあるタイトルは、版元様(ライセンスホルダー)による厳格な監修があります。開発スケジュールもタイトであることが多い中、版元様の監修をスムーズに進めていくことも不可欠です。
>サン・フレアはIPゲームタイトルの対応実績が豊富
人気IPゲームタイトルのローカライズを多数手がけてきたサン・フレアでは、こうした高い対応力を求められる翻訳や、厳しい監修プロセスをスムーズに進めるため、以下のような体制を整えています。
徹底したファミリアライズで世界観を深く理解
実際の翻訳に取り掛かる前に、原作となるアニメ・漫画を読み込み、キャラクターの性格や関係性、物語の背景、世界観の細部に至るまで徹底的に理解する「ファミリアライズ」を必ず実施しています。作品の詳細を事前にしっかりと把握しておくことで、ファンの心に響く自然な翻訳を実現します。
公式資料に基づいた用語集の作成
IPゲームのローカライズでは、原作ファンになじみのある表現が好まれる傾向があります。サン・フレアでは、海外展開済みのアニメや漫画の公式訳をリサーチし、用語・キャラクター名・必殺技など、作品に関する用語集を独自に作成。過去の翻訳と内容のブレがないよう統一し、既に存在している世界観を崩すことなく翻訳します。
また原作のアニメ・漫画などから用語集を作成した際には、出典元を一覧にしています。こうすることで、原作に沿ったローカライズを実現すると同時に、原作からの出典元をクリアにし、版元様のスムーズな監修を可能にします。
ローカライズ済みの漫画・アニメの両方がある場合は版元様へ確認
例として、原作は漫画、その後アニメ化され、いずれも海外向けにローカライズされた作品があるとしましょう。この場合、漫画の翻訳とアニメの翻訳が異なることも多数あるため、IPゲームのローカライズ時には、版元様にどちらを採用するかをあらかじめ確認します。
なぜなら版元様によっては、漫画の翻訳版とアニメの翻訳版ではどちらかのみしか版元様の監修が入っていないというケースもあるためです。またアニメ制作時に翻訳をブラッシュアップしていることが多く、漫画よりもアニメの翻訳のほうがより良い翻訳になっているケースもよく見られます。
IPゲームタイトルの翻訳は、サン・フレアにおまかせ!
サン・フレアは、アニメ・漫画など、版権作品を原作としたゲームタイトルのローカライズに、数多く携わってきました。その中には世界的に人気のあるアニメ作品や、長年愛され続けている漫画原作のタイトルも含まれており、国内外のパブリッシャー様から高い評価をいただいています。 IPゲームタイトルのローカライズをご検討中の方は、お気軽にサン・フレアまでお問い合わせください。
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